第3版 Ansible実践ガイド
コードレスによるインフラ構築の自動化 第3版 Ansible実践ガイド
第1章
構成管理には広義と狭義があります。サービスのアジリティを支援する技術として「クラウド」、考え方として「DevOps」が出てきました。
- 広義: ITサービスとしての構成管理 ITサービスの最適化を支援することを目的として、アプライアンスやアプリケーションといったリソースの構成を管理し必要な時に提供。
- 狭義:オペレーション自動化としての構成管理 システムのプロビジョニングや構築自動化を目的として、ツール等による仕組みを提供。
クラウドの登場によりインフラリソースのライフサイクルが短くなります。これまでと同様の構成管理をしていたのでは工数が膨れ上がり、せっかくのアジリティが損なわれてしまいます。そこで、構成を自動管理できるInfrastructure as Codeの重要性が増してきました。
Infrastructure as Codeの対象領域
- オーケストレーション(Orchestration) 連携したサービスの提供(Fabric、Capistrano 等)
- システムの構成管理(Configuration Management) M/Wの提供(Ansible、Chef、Puppet、SaltStack等)
- ブートストラッピング OSの提供(Terraform、Vagrant、Docker、AWS、Azure、GCP等)
従来の構成管理方法として、パラメータシート等のドキュメントを作成することを強いるプロセスがあります。製品添付や契約の一部であれば是非もなく作成しなければなりませんが、社内での保守目的であれば工数を使うしアジリティも損なわれるので、設定ファイルや自動化ツール設定ファイルのバックアップ等で十分であると考えています。
<続く>